座標求積

 ※これは過去のブログ記事を再掲したものです。

 時々お問い合わせ頂くので、今回は座標求積について記事を書くことにしました。

 近年の測量による土地の区画は、一般的に測点と測点を順次結んで表現します。

 座標求積とは、測点の位置を表す座標値から面積を求める方法です。

 まずは下図のような三角形の面積Sについて考えてみます。

EB200A5B-3C71-47F2-A9B8-9004B76A97A2.jpeg

 座標求積ではいくつかに分けた台形の面積を計算します。

 計算する台形の数は求積する図形の辺の数と同じです。この例では三角形を求積するので、台形の数は3個です。

83314CB7-059C-43F7-A5EB-7B45AF2D6B4C.jpeg
B9A0EB08-AD42-435E-A7DE-D1C381FEA96D.jpeg
6F5DF36F-D158-4D2F-AD48-7F8650FBEB2F.jpeg

 台形の面積は、以下の公式により計算できます。

623283F8-ECFC-49C1-ACE6-0E4D125E249F.jpeg

 この公式を使って、各台形の面積を計算していきます。

①S1の面積

C708B25A-1BDD-4703-9B1F-7CB13A66F225.jpeg

 台形の面積に使用する上辺はY2、下辺はY1、高さはX1-X2です。

CB80B685-2327-47E4-8535-390D8F32CA80.jpeg

台形S1の面積は公式より、

S1=(Y2+Y1)×(X1-X2)÷2

※(X1-X2)は負(-)なので、S1は負(-)となります。

 この時、高さ(X1-X2) は X1>X2 と X1<X2 とで正負(+-)が異なります。

 必ず、Xn – Xn+1や、Xn+1-Xnなど、計算する順番を決めておきます。

 この正負によって、各台形の面積の正負が決まります。この例では、Xn-Xn+1で計算をすすめます。

 以下、同様に各台形の面積を求めます。

②S2の面積

D1D88CB2-31AF-448B-B237-E7EB012E2F8C.jpeg
7116180F-43BC-4A08-BC94-665F50098E36.jpeg

S2=(Y3+Y2)×(X2-X3)÷2

※(X2-X3)は負(-)なので、S2は負(-)となります。

③S3の面積

9FE19BBA-BD81-473F-ABBE-540905119837.jpeg
0494B7B7-3F3F-43AF-9395-241873E61601.jpeg

S3=(Y3+Y1)×(X3-X1)÷2

※(X3-X1)は正(+)なので、S3は正(+)となります。

①~③で計算した台形の面積を合計することで、Sの面積が求められます。

S =(-)S1+(-)S2+S3 =S3-S1-S2

02D060E1-947C-4D46-878E-3667BCE7DE5B.jpeg

 以上のように、台形の面積の合計から任意の図形の面積が計算できます。

①~③の式を整理し一般化します。

①’

S1=(Y2+Y1)×(X1-X2)÷2

=(Y2X1-Y2X2+Y1X1-Y1X2)÷2

②’

S2=(Y3+Y2)×(X2-X3)÷2

=(Y3X2-Y3X3+Y2X2-Y2X3)÷2

③’

S3=(Y3+Y1)×(X3-X1)÷2

=(Y3X3-Y3X1+Y1X3-Y1X1)÷2

S=S1+S2+S3なので、

S =(Y2X1-Y2X2+Y1X1-Y1X2 +Y3X2-Y3X3+Y2X2-Y2X3 +Y3X3-Y3X1+Y1X3-Y1X1)÷2

 =(Y2X1-Y1X2+Y3X2-Y2X3-Y3X1+Y1X3)÷2

 ={(Y2-Y3)X1+(Y3-Y1)X2+(Y1-Y2)X3}÷2

 この例は三角形についての式なので、n角形の式として整理すると、

S=Σ(Yn+1-Yn-1)Xn÷2

となります。

 下の例で実際に計算してみます。

C7A3E4AF-9A8D-4DAA-966C-FCE0B5ED44C7.jpeg

An=(Yn+1-Yn-1)Xnとおくと、

A1=(Y-Y)・X=(2-9)×2=-14

A2=(Y-Y)・X=(9-6)×5=15

A3=(Y-Y)・X=(6-2)×8=32

S=(A1+A2+A3)÷2

 =(-14+15+32)÷2

 =33÷2

 =16.5

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

測量

前の記事

座標変換行列の導出
測量数学

次の記事

余角公式